佐武と市捕物控

佐武と市捕物控のストーリー

捕縄術や十手術を駆使する岡引の佐武と、その相棒である盲目の按摩~居合剣の達人・市。花の御江戸の八百八町、闇に隠れる悪を斬る為、今日も二人は駆けていく。二人の技が冴え渡る爽快なアクションもさることながら、推理サスペンスとしてのレベルも高く、また、単なる「捕物」ということに留まらず、その「捕物」を通して描いた人間ドラマは深く、心に染みわたります。さまざまなアイデアと魅力的な石ノ森のキャラクターが絶妙なバランスで至高の作品として完成し、多くのファンから賛美の声が寄せられました。30年もの間描き続けられたこの作品は、石ノ森自身が最も愛し、そしてファンからも愛された、紛う事無き彼のライフワークにして最高傑作のひとつといえる作品なのです。

先生のコメント

「少年サンデー」では、不定期掲載のシリーズ作品であった。そのためもあってか、意欲(的に描いていた、と記憶する)作のつもりであったが、評判はもうひとつで、あった。ちょっと“大人っぽ”過ぎる。もっとわかり易く、と何度も注意もされた。で、昭和43年、「ビックコミック」という成人コミック誌の創刊と同時に、そちらに移した。画風・ストーリーの容量、テーマなども大幅に変えた。

同一キャラクター、同一モチーフの作品が、ターゲット(読者層)の変化によってどう変質していくか、「少年サンデー」版と「ビックコミック」版を比較すると、よく分かってとても面白い、と思うのだが・・・・・・。

佐武と市捕物控のギャラリー

佐武と市捕物控の登場人物

佐武

小伝馬町の佐平次親分の下っ引。熱血漢であるが、情にもろい面もある。縄術と手作りの十手を組み合わせ、数々の捕縛術を得意とし、按摩の松とのコンビで次々と事件を解決していく。

松の市

盲目の為按摩をしているが、その推理力や洞察力を活かし佐武を助ける居合い抜きの達人。

みどり

佐平次の娘。母親はみどりを産み、直後に亡くなってしまい、男手ひとつで育てられた。

佐平次

佐武の親分で“鼻の佐平次親分”と呼ばれる小伝馬町の岡っ引。

田辺安之進

佐平次と佐武と上役にあたる同心。