人造人間キカイダー

人造人間キカイダーのストーリー

 環境破壊を食い止めようとして殺された息子一郎の意思を継ぐため、殺されることのないロボットの戦士を作り始めた光明寺博士。しかし、その資金を提供したプロフェッサー・ギルはロボットによる世界征服をたくらむ悪人だった。ロボットは命令のままに善悪の判断もなく犯罪を犯してしまう。ならば、自分で善悪を判断できる回路をロボットに組み込めばいい。こうして、光明寺博士は一郎に似せた人間型ロボット、ジローに良心回路を組み込んだ。しかし、良心回路は完全ではなかった。起動実験で目覚めたジローは半分が赤、半分が青の不完全な状態で目覚めてしまった。しかも、実験中にプロフェッサー・ギルが放ったグリーン・マンティスによって光明寺博士はさらわれ、ジローは何もわからぬままに世の中に出ることになってしまう。父からあらかじめ事の次第を書いた日記を受け取っていたミツコはジローを探し良心回路を完成させようとする。良心回路のために人間に近い感情を持つようになったジローはミツコに恋心を持つようになってしまう。プロフェッサー・ギルのロボットを操る笛の音と良心回路の働きの板挟みに苦しみながら、ミツコとともに光明寺博士を探す戦いの旅に出かけるのだった。

先生のコメント

 「ロボット」ということばを最初に使ったのは、チェコのカレル・チャペックという小説家ですが、当時はまだほんとうの、SF(空想科学小説)の中だけの、つまり“空想”上の産物に過ぎなかったものが、現在はさまざまな形で“実現”化しています。「自動機械(オートメーション)」と呼ばれているのがそれです。

 残念ながら“人間ロボット(アンドロイド)”は、まだ実験段階のようですが、それも時間の問題で実用化されるはずです。

 そういった未来のことなども考えながら、このマンガをお楽しみください。(秋田書店「SUNDAYCOMICS」1972刊より)

人造人間キカイダーの登場人物

人造人間キカイダーの登場人物

ジロー
(キカイダー)

光明寺博士に作られたロボット、未完成の良心回路のために悪の命令と善の心の間で苦しみながら戦っていく。

光明寺博士

ジロー(キカイダー)を作ったロボット工学の権威

光明寺ミツコ

光明寺博士にジローの良心回路を完成させるよう頼まれる。

光明寺マサル

ミツコの弟。

プロフェッサー ギル

ロボットによる世界征服をたくらむ悪人。光明寺の持つロボットの技術を使いより強力なロボットを手に入れようとする。